油は100%脂肪でほとんど工業製品です
砂糖が糖質100%ならば、油もまた脂肪100%という稀有な食品です。
その問題点を考える前に、油と脂肪の区別をはっきりとさせておきましょう。
世の中では、高脂肪が目の敵にされていますが、この「高脂肪」ということばは誤解を生む恐れがあります。
例えば、脂の乗った牛肉や豚肉、脂の乗った旬の魚も高脂肪には違いありません。
もっと多いのは、種実類です。ピーナツ、ゴマなどは、もともと脂肪が多い食品です。
そこで誤解されてしまって、こうした食品を抑えることが脂肪対策だと思っている人もいるようです。
しかし、食品としてとるかぎり、そこに含まれている脂肪はたかが知れています。タンパク質やビタミン、ミネラルなどのさまざまな栄養素にまじっ
て脂肪が含まれているからです。
問題なのは、精製された油です。つまり、ゴマや菜種、ピーナツなどから絞った植物油であり、豚肉の脂肪から精製してつくったラードや牛肉の脂肪から精製してつくつたヘットです。
そうして精製された油の成分は脂質が100%であり、ほかの成分はほぼゼロという極めて珍しい食品だということです。
昔は、それでも不純物が多く含まれていましたが、抽出・精製の技術が発達したことによって、現在の食用油はまるで工業製品のような純粋なものになってしまいました。
自然の食品の場合、いくら脂がのっていても脂質は30%程度。高級肉のサーロインステーキでも、20~30%です。
一方で、油は100%。同じ重量ならば三倍から五倍の脂質接取になってしまいます。
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