女性の婦人科系疾患が急増したわけ
実は、油のとりすぎによる最大の問題は、女性ホルモンの過剰分泌につながるという点にあります。
というのも、女性ホルモンをつくる材料はコレステロールだからです。
もちろん、女性ホルモンが適切な量だけ分泌されていれば間邁はありません。若さを保ち、美しさを保つもとになるからです。
しかし、分泌が過剰になってくると、子宮や卵巣などの女性特有の器官に負担がかかり、それが原因で、乳がん、卵巣がん、子宮筋腫、子宮内膜症などの病気を引き起こしてしまうのです。
つまり、高脂肪の食生活が、乳がんをはじめとする婦人科系の病気の原因になっているというわけです。
私は病院や診療所などで、約30年間乳がんの患者さんに会ってきました。乳がんは閉経期以降の患者さんが多いのですが、最近は30代、40代の患者さんが増えています。しかも太った人はめったにいません。
これまで、たくさんの乳がんの患者さんの食生活を見てきました。そのうち、20代から40代前半という、比較的若くして乳がんになってしまった患者さんに限れば、みなさん非常によく似た食生活をしています。
最大の共通点は、あまりご飯を食べていないということです。ほとんどの人が、一日に一回程度。しかも、食べる量が極めて少ないのです。
そして、不足分のカロリーについては、私が「カタカナ主食」と呼んでいるパン、パスタ、ピザ、ドーナツのほか、洋菓子やスナック菓子などで満たしている例が目立ちます。
典型的な食生活を挙げると、朝はパンにマーガリン(バター)、ハムエッグ、ドレッシングをたっぷりかけたサラダ、ヨーグルトといった具合。昼はパスタ、ピザ、ラーメン、あるいは菓子パンのどれか。間食として、ケーキ、クッキー、アイスクリーム、チョコレートといったスイーツ。夕飯になって、やっと少しだけご飯を食べるというパターンの人が多いのです。
まさに、砂糖と油まみれの食生活ではありませんか。
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