"油戦争"に巻き込まれるな
求められているのは、油のとりすぎをやめることです。
ところがここで多くの人が勘違いしてしまうのです。
つまり「健康にいい油」であればいいだろうと思ってしまうわけです。
脂肪吸収を抑える油、カロリー半分の油、オメガ3脂肪酸などの油です。
これらの油については、メーカーと学者が研究をして「この油が体にいい」「いや、こちらのほうがいい」という宣伝合戦をしています。
かつて、リノール酸が体にいいという説が広まって、リノール酸をたっぷり含む紅花油がもてはやされたことがありました。そこで、紅花油の生産メーカーの売上が一気に上昇すると、今度は対抗するメーカーがリノール酸は危険だというネズミの実験結果を出してきて、一気にリノール酸の油が売れなくなってしまいました。
各社ともデータの出し合い。まさに、「仁義なき油戦争」です。その後、オレイン酸が体にいいということでオリーブ油が売れ、最近では亜麻仁油が注目されているようです。これからもどんどん新製品が出てくるでしょう。
確かに、油の種類によって、健康への影響に差はあります。欧米人は、食事に油が欠かせないからこそ、どんな種類の油が健康にいいか悪いかを懸命に研究しているわけです。
そもそも和食中心の食生活ならば、油をとりすぎることはありません。それなのに、欧米の事情を真に受けて、体によさそうだからと、なんでもかんでもオリーブ油をかけるのはおかしいではありませんか。
確かに、オリーブ油には長所があるかもしれませんが、それ以前に問題なのは油の絶対量のとりすぎなのです。やたらにオリーブ油をかけるよりは、油をかけない方向に向かうべきなのです。
脂肪が抑えられるというトクホ(特定保健用食品)の烏龍茶やコーラを飲んで、とりすぎた脂肪の摂取量をごまかすよりも、油の量を抑えたほうが手っとり早いのです。
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